勉強を効果的・効率的に進めるために、良い先生に出会い、指導してもらうというのは重要なことだ。
もちろん、このサイトでは「自習力」を磨き、最終的に「自学自習」の幅を広げていくことを推奨している。それが短期的なテストで結果を出すことだけではなく、中長期的に将来に渡って自分を支える力を手にするという、本当に価値のある学習だからだ。
そうした意味のある学びをはじめるターニングポイントが、「先生選び」といっても過言ではないだろう。
多くの人は、勉強に関して不安や課題がある場合に塾に通う。
それは良き「先生」に出会うためと考えれば正しい行動である。
では、その塾選びの基準は何だろうか。
多くの人はどういう基準で塾を選んでいるのだろうか。
そのひとつのポイントとなる「塾の費用」について記しておこう。
塾選びのとき、月々の月謝だけで見てはいけない!?
塾選びのポイントは、本当に色々とある。
もちろん口コミとかは本当に生の声なので塾の費用を気にしないで入塾するのがほとんどだろう。
しかし、口コミもなく塾を探そうということになれば、まずはやはり塾でどのくらいの費用がかかるか、ということが最大のポイントになるだろう。
入塾金?
年会費?
施設費?
テスト対策費?
塾選びをする際、費用に着目するとなると、1か月の月謝に目が行きがちだ。
しかし、月謝だけで決めると本当に後々後悔する塾選びになることもしばしばなのだ。
私が今まで勤めていた塾もそうだった。
新聞折込でチラシに記載されている月謝は本当に安く表記されている。
しかし、契約する時になると、あれもこれもなんだかんだと費用が加算されていく。結果、入塾時に支払う金額が6万円とか7万円になることを私は経験もしてきたし、見てきた。
隠された費用 講習代
実際に私が勤めていた個別指導塾では、年間で中1が40~50万円、中2が50~60万円、中3が70~100万円という費用がかかる。
この金額は私が室長をやっていた時に、保護者様にお支払いいただいた平均金額だ。
授業時間数や教科などにもよるが、「個別指導」「中学生」というところからすれば、月謝が3万~6万程度というのは平均的とみても良いだろう。
この金額から大きく変わるとすれば、それは、講習代だ。
講習代とは、夏期講習、冬期講習、春期講習という季節講習の代金のこと。中でも一番曲者なのが夏期講習代だ。
なぜなら、夏休みが一番長く、当然夏期講習の期間も長くなる。そうなれば必然と費用がかさむという形になるからだ。
塾も経営をしなければいけないので、あれもこれもと言いながら講習代をどんと提示していく。
もちろん、生徒のために絶対必要だということで根拠を持った提案をする場合もあるが、すべてが明確な理由があるわけではない。あえて理由をあげれば「経営のため」ということも十分にあるのだ。
特に、夏休みは学校が長期でお休みだから、その間の勉強については、多くのご家庭で「しっかりやるべき」という考えがある。だから夏期講習は「当然あるもの」と考えていることが多い。
だから、講習代だけで、20万円なんて塾もふつうにある。
しかし、保護者様からすれば「ここが出来ていないから数学と英語をやりましょう」「夏休み明けにはテストがありますから社会と理科もやったほうがいいですね」なんて言われたらどうでしょう。やっぱり不安になって申し込みをしてしまうのだ。
金額だけ聞いた人からすれば「え?そんな高いの?うちは払えないよ」というリアクションになる人も、我が子のこととなれば話は別になることもしばしば。だから、本当に夏期講習代が10万~20万円なんて当たり前になるのだ。
ちなみに私が以前勤めていた塾で、最高で18万円の夏期講習をやっていただいたことがある。
年間費用を明確にして意味のある学習を自ら選びとれ!
ただし、塾が暴利を貪っているだけなのか、といえば決してそんなことはない。
きちんとした根拠があり、しかも、たとえ20万円払ってでも、成績が飛躍的に向上したのなら、むしろ安い買い物のはずだ。
なぜ20万円の夏期講習代が高いと保護者様たちが思うかというと、結果と夏期講習の中身が見えないからに他ならない。要は、塾の中が不透明で保護者様から見れば塾で何をやっているのかが全く分からないからこそ、それだけのお金を払う価値があるかどうかがわからなくなるのだ。
もし、毎回の夏期講習で授業ごとに詳しい内容の授業報告書が添えられていて、毎授業ごとの到達度、出来たところ・理解したところ、また、わからなかったところ・理解できなかったところが明確に示されていたらどうだろうか?
たとえ少々高額な費用だったとしても意味のあるものにできていれば、納得できるだろう。そうなれば、家庭学習の方法も変わってくるはずだ。当然、テストや成績だってきちんと変化する。
大事なのは、月謝が安い、高いというただそれだけで判断しても何も意味がないということだ。
さらに、塾の費用は実際に入塾してみなければわからないこともある。特に、講習代は月々の月謝には表れないし、入塾当初に提示はされないことがほとんどだ。
これから塾を探す人は、ぜひ、入塾する際、最初に面談がありますので、年間にかかる費用を確認しましょう。何がいくらか、月謝以外にどういった費用が必要か、きちんと明確にされることをお勧めします。
ここであいまいなことを言っている塾は完全にやめた方がいい。
もしかしたら、根拠のない、「営利目的だけ」の高額な講習代を提示されるかもしれない。
(文責:オハナエデュケーション 前田秀仁)