【思考力・読解力を鍛える】「それって本当に正しいの?」リテラシーを高める方法

わたしたちは専門家やマスメディアが伝えている内容をどうも無批判に信じやすい傾向があります。

お国柄とかもあるのでしょうが、わたしはやっぱり教育の問題も大きいように思います。

昨今も様々な政治的な話題で「フェイクニュース」などが指摘されており、以前よりはメディアの発する情報に対して「身構え」する人が増えてきているようにも感じますが。。。

 

こうしたメディアの情報を「主体的」「批判的」に読み解く能力を「メディアリテラシー」といって、教育界でも重要な学習単元のひとつとして扱われています。

この「リテラシー」というものは、「思考力」や「読解力」を鍛えていくためにも大変重要なものなので、ここでひとつ話題提供をしたいと思います。

 

学校(教科書)の勉強でリテラシーが育つのか?

私たちが何かを学ぶとき、学校で学ぶことが多い。

近年は、高校もかなり高い進学率ですから、準義務教育などと言われたりもします。ということは、多くの人は、小中高の12年間、学校に通い何かを学ぶということになっています。

学校がなければ、テストがなければ勉強しないという人もいるくらいですから、ある一定数の人は、学校以外では勉強しないという人もいると言っても良いでしょう。

そして、学校では、いずれの教科にも「教科書」があります。

この教科書を使った、各教科の先生が行う「授業」によって様々なこと学ぶというのは、ごくごく自然なことだと思います。

「先生」という人から様々なことを学ぶ、あるいは本から先人たちの知恵を学ぶ、これらは学習の場面でごく普通の行為だと思います。

 

さらに、多く人にとって勉強の動機づけとなっているのがテストだと思います。何かを学んだ時には、その成果とか習熟度をいろいろな形でテストします。

テストと聞くと、わたしたちはどうしてもペーパーテストをイメージしてしまうことが多いように思いますが、例えば芸事などでは、テストはペーパーではなく、実技、パフォーマンステストが行われることが多いですね。

まぁそうした評価が学習を継続的に行っていくうえで重要なものではあります。

 

しかも、こうした形態の学びは、日本に限らず多くの国や地域で行われているもので、まぁとりあえずスタンダードな方法といえるでしょう。ただ、その扱い方や進め方は当然違うわけで、そこにお国柄も出るでしょうし、究極はそれぞれの「先生」によって違いが出てくるんですね。

 

日本の場合は多くの方が経験していると思いますが、けっこう教科書にしばられ、教科書「で」勉強するはずが、教科書「を」勉強していることもしばしば。

当然のようにテストも教科書の内容が多く反映されていて、教科書というのがかなり支配的な存在になっているんですね。

 

最近は、学習指導要領が改訂され、教育についても見直しが盛んにおこなわれていますし、時代のトレンドは、パターン化されたかつての受験学力を育てるような勉強ではなく、パターン化されない柔軟な「思考力」や「判断力」「表現力」が求められています。「アクティブ・ラーニング」なんてのも登場しています。

※【関連記事】
アクティブ・ラーニングについては、こちらの記事も合わせてご覧ください。

 

とはいえ、もちろん一定のパターンやルールがなければ、「柔軟」もなにもないですし、ある意味しっかりとした考えの土台がなければ、「考える」ことも難しいでしょう。

だから、小中学生あたりでは、自分の思考のベースを作るために、ある程度いろいろな知識をつめこみ、様々な体験をしていかなければなりません。

そのうえで、自分の持った考えが固定化してしまわないように揺さぶりをかけていく。

そうして、柔軟な、より確かな考えが生まれていく・・・。わたしはそう思っています。

 

「テレビで言っていたこと」が正しい?

少し話がそれてしまいました。

話を戻すと、ここで言いたいのは、何だかんだ、時代のトレンドが変化してきても、「教科書」や「先生」の影響はものすごいんだということ、さらに日本では、多くの学習の場面で生徒が受動的になりやすく、教科書や先生の言うことを無批判に受け入れやすい、という特徴がある、ということですね。

 

これって学校などの場面だけでなく、日常生活の中でもしばしば見られることで、その最たるものは「テレビ」や「新聞」などのマスメディアです。

「テレビでいってたよ」
「新聞に書いてあった」

そう言われると、何だかんだで、それが正しい情報だ、とあまり疑わずに受け入れてしまったことありませんか?

これと同じく学習の世界でも、特に小中高の教科学習の場面では、往々にしてあるんですね。

「教科書に書いてあったから(正しい)」
「そんなこと教科書に書いてないから(正しくない)」

 

でも、それって本当でしょうか?

なんで正しいのかきちんと根拠を、証拠を確認しましたか?

 

「テレビや新聞、教科書に書いてあるから正しい」というのは、実はとても危険な発想なんですね。だって、誰かが意図的に正しくない情報を載せていたとしたら、意図的にではなくても正しくはないけどそうとは知らずにそれを載せていたとしたら・・・

 

そう考えると、ちょっと怖くなってきませんか?

 

今までテレビや新聞、教科書を元にしていた自分の言動が、もしかしたら正しくない情報や意図的に歪められた情報に基づいていたのだとしたら。

 

もしかしたら、それで誰かと決別するような激しいバトルをしていたかもしれない。
もしかしたら、本当は正しいことを言っていた人を数の論理で黙らせてきたかもしれない。

 

もしかしたら・・・

もしかたしら・・・

 

最近は学校教育の現場でも「メディアリテラシー」という言葉を聞くようになりましたし、新聞を使った授業(NIE)なども行われてきています。

また、当然インターネットなども普及し、そうしたマスメディアとは違った角度から情報収集ができる環境があります。

だから、自分がその気になれば、多くの人が同じように伝達されて何となく信じていることが本当に信じて良いものなのか、考える材料を手にすることができますね。

 

一昔前だとなかなか難しかったかもしれません。

小中高生が直に触れられるメディアというのは、今ほど多種多様に、ワールドワイドに拡散しているものではなかったですから。その点で、やはり「ネットは危険」とか「匿名の情報は信用ならん」という、これまたテレビや新聞などとは逆のステレオタイプの考えにも、ちょっと疑いの目を向けられるようにならないといけませんね。

 

とりあえず小中高生のみなさん。もちろんその保護者のみなさんも、このあたりが入門として、こうした話題を考えるきっかけになるかなと思います。ぜひ参考にしてみてください。

小笠原喜康『議論のウソ』(講談社現代新書)

 

谷岡一郎『「社会調査」のウソ-リサーチリテラシーのすすめ』(文春新書)

 

さて、そうしたらこんな問題にも切り込めちゃいますね。

 

もう世界中の多くの人が「そうだ」と胸を張って行ってしまえるくらいメジャー中のメジャーな主張。

 

「地球温暖化は二酸化炭素が原因で起きている」

「だから二酸化炭素を減らすように努力をしよう」

 

「IPCC」という、国連の「気候変動に関する政府間パネル」があります。IPCCは「地球温暖化」「温室効果ガス」に関して調査、研究を行い、その結果や知見を報告書としてまとめている組織です。

 

↓くわしくはこちらを見てね↓
Wikipedia「IPCC;気候変動に関する政府間パネル

 

以前に出された報告書の内容には、温暖化の深刻な影響を回避するためには、今世紀末に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出をほぼゼロにする必要がある、というものがあります。

省エネや節電、日本はここ何年も、それこそ東日本大震災が起こる前からもCO2削減に積極的に取り組もうとしてきています。実際にはどうなっているかは、専門家ではないですし、自分で測定できるわけでもないので、何とも言えませんが。

 

ただ、それがさっきの話の通り、正しくない情報だとしたらどうでしょうか?

誰かによって意図的に歪められている情報に基づいたものであったとしたら、どうでしょうか?

 

専門家の意見やある権威の話は、専門家ではない人からすれば検証のしようがないし、本当のところは分からないんだけど、とはいえ、「唯一」「絶対」の意見というのは、それだけでちょっと強すぎる、本当は疑ってみないといけないかもしれないものだ、と思うのです。

だって、これだけ世の中には人がいて、地球なんてものの規模で考えれば、動植物や物質のレベルのものまで話を広げれば、多種多様なものがあるわけです。多種多様どころか、もはやカオス状態と言っても良いでしょう。これだけ科学が発達した現代でも、明らかになっていないことはたくさんあります。

 

南米のアマゾンの動植物のすべてを人間は把握できていません。

エジプトのピラミッドがどのように作られたのか、はっきりとはわかっていません。

 

そんなカオスな状況で「唯一」「絶対」って、逆に不自然な気がするんですが、みなさんはどう思われますか?

 

わたしたちラーニング・ラボでは、こうした一見正しい意見に対しても、本当にそうかと検証する視点を持つことを促すような授業を実践してきました。こんな難しい話題ではなく、身近な問題から考えていますが。

以前、とある生徒さんとのやり取りの中で「環境問題」の話題が出てきて、その流れで「温暖化」の話をしました。

他の生徒たちも、その多くは「地球は温暖化している」こと、そして「原因が二酸化炭素だ」ということは、もはや当然の真実であるかのように捉えていました。

まぁ、これに関しては無理もないのですが、ですから「こんな見解も実はあるんだよー」と紹介したのがこれ↓

動画は見せていませんが、丸山茂徳さんと武田邦彦さんの話をしました。

生徒はビックリしてましたが、ふだんから私自身がこの手の話をしていたこともあり、わりと柔軟に情報を更新してくれていたようです。

 

「なるほど、一概には決めつけられないかもしれないのね」
「しかも人間にとっては温暖化した方が良いこともあるのね」

などなど、と。

 

ぜひ、みなさんも考えてみて下さい。

こうしたある意味で「当たり前」「常識」などとされているものに対しても、「?」を向けてみる=疑問を持ってみるというのが、何かを考える出発点になります。

いわゆる「思考力」や「読解力」を鍛えていくための訓練にもなりまし、作文や小論文を書く際には、この「?」が大変重要なものになります。疑問がなければ、書くことができないとさえ言えるかもしれません。

 

これって実はそれほど難しいことではありません。

 

いつもなら、何かを見聞きした時、「へぇ~そうなんだ」とすぐに受け取ってしまっていたものに、ちょっと「?」を投げかけてみるだけです。初めはたったそれだけでいいのです。それをくり返しているうちに、だんだん自然と「?」を向け、深く・広く考える視点を持てるようになります。

 

自分には「思考力」「読解力」が足りないな、と思っている方、ぜひ試してみてください。


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