2020年大学入学共通テスト(国語第1問)に見る作文・論文の表現方法【動画講座】

作文・小論文の書き方について、主に文章の構成(流れ・展開)を中心に本サイトでは解説してきました。

 

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【作文の書き方】作文・小論文(意見文)を書く3つのポイント初級編

 

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ここでは、より具体的な、今すぐ使える「表現方法」についてお話ししていきます。

 

2020年の大学入学共通テスト(国語・第1問)で使用された文章が、作文の表現方法という点で大変参考になるものでした。

そこで、2020年の共通テストで使用された文章(香川雅信『江戸の妖怪革命』の序章の一部)を題材として、あなたが作文(小論文・論文)を書く際に、すぐに使える表現について解説してみたいと思います。

 

小論文・論文で不可欠な要素とは!?

どんなことを・どんな視点(立場)で書いていくのか

今回取り上げる文章は、「冒頭」部分というのがポイントです。

ある長い文章(論文)の冒頭部分だからこそ、その文章全体の要旨が端的にまとめて書かれています。

具体的にいえば、

■どんなテーマの文章なのか
■筆者の主張(最も伝えたいメッセージや独自の立場・視点)

です。

これは、文章であれば、特に、小論文や論文など、いわゆる「意見文」という文種であれば、必須の要素となります。

そもそも小論文あるいは論文は、AでもBでも、幾通りも立場や視点が存在するようなテーマについて、自分がどんな立場や視点で、どんなことを語るのかをみんなに示すものです。ですから、何よりもまず、それがはっきりと明示されていることが絶対条件になります。

特に、大学受験などの小論文では、自分の考え(立場・視点など)が明示されている必要があります。

 

文章を書くことに慣れていない人は、どんな内容を書くか(「書くことがない」「どんなことを書けばいいの?」)ということに悩みがちな気がします。が、大事なのは、それよりも、はっきりと自分の考え(立場・視点)が明確にできるかどうか、です。

 

例えば、「現在の中東情勢についてあなたの考えを書きなさい」という小論文のお題があったとしましょう。

あなたが、ニュースや本などをよく読んでいて、現在の中東(イスラエルやパレスチナなどの状況)についてある程度の知識を持っていたとします。そこであなたは、自分が知っている知識をこれでもかと盛り込んで小論文を書いたとします。

でも、その文章が、ニュースや新聞などから得られる知識が並んでいるだけのものであったらどうでしょう。その小論文で大学に合格することができると思いますか。

 

結果は、おそらく不合格です。

なぜなら、この出題をした大学の先生であれば、ニュースや新聞で得られる以上の情報・知識はすでに持っているはずです。

大学の先生は、あなたから、そうした情報や知識を教えてもらいたいわけではありません。あるいは、あなたがそうした情報や知識を正確に持っているかどうかを知りたいわけでもありません(もちろん、最低限の情報や知識は知っていないと、そもそも小論文を書けませんが)。

そうではなく、あなたがどう考えるか、を知りたいのです。

目の前にある情報から、あなたがどんな価値判断をする人なのか、大学で学んでいくための素養(論理的に思考力)があるかどうか、を知りたいのです。

 

だから、乱暴に言ってしまえば、それらが伝えられるのであれば、書く内容はどんなものであっても構わないのです。

 

例えば、ここに中古のNintendo Switchが1,000円で売られていたとします。

あなたはどうしますか?

「中古とはいえ、1000円は安いから買う」という人もいるでしょう。

逆に、

「中古とはいえ、1000円は安すぎる(何か裏がある!?)から買わない」という人もいるかもしれません。

 

この場合、買うのか買わないのかはどっちでも構いません。人それぞれですから、そもそも正しい答え・唯一絶対の答えなんて示せるはずがないのです。

だから、大事なのは、なぜ、どんな理由で、その結果(結論)に行きついたのかが相手に理解できるように説明すること

 

この「なぜ、どんな理由で、どの結果(結論)に行きついたのか、相手に理解できるように説明できる力」こそが論理的思考力そのものといっても良いでしょう。

 

くり返しになりますが、大学受験などの小論文では、「どんなこと(テーマ)」について、「どんな理由で」自分が「どう考えたのか」を明確にできるかどうか、が最も重要なことになります。

 

【ちょっと発展編】大学生・大学院生が論文を書く際に必須の要素

さらに言えば、今回取り上げた文章には、大学や大学院等で研究論文を書く際のヒントも満載です。

 

論文というのは、あるテーマについて、独自の見解を明らかにする=証明する文章です。研究分野や領域によって、ある程度、論文の書き方に型というものもあります。ただし、どんな分野の研究・論文であっても、必要な要素というものもあります。

 

例えば、先行研究

どんな研究であれ、どんなテーマの論文を書くにしろ、すでに同様の研究か、関連する研究が行われていることがほとんどです。もちろん、自分がまったく未開拓の領域の研究をする場合もあるかもしれません。

いずれにしろ、自分の研究テーマに関して、これまでにどのように研究が進められてきたのか(進められていないのか)、どのようなことが明らかにされているのか(明らかにされていないのか)、を知っておく必要があります。

そうでなければ、自分の研究が「独自」のものであることが示せないからです。

研究というのは、先人たちの業績の上?先?に1センチでも新たなことを積み重ねていく作業と言っても良いでしょう。

 

さらに、もうひとつ付け加えると、研究方法の提示というのも大事な要素になります。

「どうやって」証明していくか、方法の部分です。

明らかにしたいこと、証明したいことがあって、そのための素材(証拠など)があったとしても、それらの用い方ひとつで結果が変わってしまいます。

 

たとえば、おいしいカレーを作ろうとして、最高の食材と最高のスパイスを用意したとします。

最高の食材とスパイスが用意されているのですから、ごくごくふつうにカレーを作る要領で料理すればおいしいカレーができるはずです。けれど、食材の切り方や火加減、スパイスの量などを間違えたらどうでしょう。おそらくおいしいカレーにはならないはずです。

 

研究(論文)も同じです。

テーマや仮説は、正しい方法論によって、あるべき結果(結論)へと導かれていくのです。

 

今回取り上げた文章でも、「○○の方法を用いて考えていく」ということが示されていますね。

これについては、例えば、大学入試の小論文レベルであれば必要のないことですが、大学生や大学院生になって論文を書く際には、必要になりますので、ぜひ覚えておいてください。

 

では、これらのことを踏まえて、2020年大学入学共通テスト(国語の第1問)の文章を題材とした、表現方法の解説動画をご覧ください。
動画は下にある動画画面をクリック(タップ)すれば再生されます。

 

小論文・論文ですぐに使える表現方法【解説動画】


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