文章が読めない、書けない。。。
読解力が大事だというのはわかるけど、どうやって身につければいいの?
読解力を養うには、結局読書するしかないの?
大人の私自身も読解力に自信があるとは言えない。。。
大人が読解力を鍛えるのはもう遅い?
そんなお悩み、疑問をお持ちでしょうか?
ここ何年も各種の学力調査で子どもの読解力が低下しているという結果が出ています。
そればかりか、実際に仕事の現場でも、文章の読解や作文などに問題がある人もいて、すでに大人世代でも読解力が低い人がたくさんいるというのは多くの人が実感していることでしょう。
そこで、この記事では、読解力を習得するための方法を解説していきます。小学生、中学生、高校生など子どもはもちろん、大学生や社会人、小中高生の保護者など大人の方が読解力を鍛えるためにも使える方法をお話ししていきます。
読解力というと、本を読むこと(読書)がイメージされるかもしれません。もちろん、読解力を養うために読書は有効な方法です。ただし、ただ本を読む(文章を見る)だけでは意味がない場合があります。また、読書以外でかんたんに実践できる方法も合わせてご紹介したいと思います。
この記事でわかること
②読書以外で読解力を鍛える方法
③読解力・思考力を磨くためのおすすめ本
僕は、これまで約20年に渡り神奈川県内で塾講師をしてきました。途中、教育についてより学びたいと考え、大学院に進学しました。専攻は国語教育です。
その後、国語(文章読解・作文)を1つの大きな柱として、小中高生だけでなく、大学生や社会人の方の読解・作文の指導をしてきましたので、読解力や作文に不安がある方には参考にして頂けると思います。
ちなみのこの記事はけっこうな量があります。
これを読むのもひとつの読解力向上の方法になっているといえるかも(;’∀’)
時間のあるときにじっくりお読み頂くか、各項目ごとに分割してお読み頂いても良いかもしれません。手っ取り早く要点だけ知りたいという方は、下の目次をざっとご覧頂き、各項目の「まとめ」部分をつないで読んで頂ければ、おおよその内容はわかります。
では、前振りが長くなってしまったので、そろそろ本題に入っていきましょう。
■大人の方はぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
読解力、大人もヤバイ!?文章が読めない・書けない大人の学習方法
本を読む(読書)【読解力を養う方法①】
「読解力」だから、とにかく読書は必須だけど・・・
読解力を養うための最良の方法は、本を読むこと(読書)です。読解力とはいうのは、いろいろな定義ができるものですが、文章などを読む力であることには違いないので、その意味では、「読書」が良いのはまず間違いないことです。
読解力を鍛える方法が「読書」なんて、当たり前といえば当たり前で、面白みもないことですが、最近は活字離れも進み、子どもだけでなく大人も本を読まなくなっているようです。
読書習慣のある人でも、印刷された紙の本ではなく、電子書籍を愛用する方も増えているのでしょうか。
このあたりの読書の仕方にも実は注意が必要です。
単純に文章を読んでいるから良いというわけではないのです。
くわしくお話ししていきましょう。
電子書籍より紙の本が良い理由
最近は電子書籍もかなり充実して、かなり便利になっています。紙の本であれば、数冊持ち歩くのもしんどいですが、電子書籍であれば、何十冊、何百冊入れていても端末の重さだけ。
通勤・通学の際にも、あるいは、旅先に持っていく場合も、何冊もの「本」を気軽に持ち歩けてたいへん便利です。
ただし、とても興味深い研究結果が発表(2019年12月)にされました。
国立青少年教育振興機構の調査結果です。
調査結果の要約はこんな感じです。
年代に関係なく、本(紙媒体)を読まない人が増えている。
一方で、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを使った読書は増えている。
読書のツールに関係なく、読書している人はしていない人よりも意識・非認知能力が高い傾向にあるが、本(紙媒体)で読書している人の非認知能力は最も高い傾向がある。
(引用元:国立青少年教育振興機構)http://www.niye.go.jp/kanri/upload/editor/140/File/gaiyouban.pdf
つまり、本を読んでいる人は「意識・非認知能力が高いよ!」「しかも、電子書籍より紙媒体の本の方が良いよ!」ということ。
「意識・非認知能力」というのは、具体的には大きく3つが示されています。
①「自己理解力」:自己探求・自尊感情・充実感など
②「批判的思考力」:論理的・内省的・問題解決力など
③「主体的行動力」:意欲・将来展望など
自分を理解し、肯定できる力。
論理的に物事を考えられる力。
意欲的に物事に取り組める力。
う~ん。
これらは、勉強でも仕事でも、自分が行動し、成長し、何か結果を得る上で、必要な力ですね。
読書。
やっぱり大事ってことです。
さらに、読書は読書でも、電子書籍よりも紙媒体の読書の方がもっと良いよってことも、ぜひチェックしておきたいところです。
この調査はあくまでも「読書をしている人が能力が高い」さらに「電子書籍より紙の本を読んでいる人の方が高い」という「実態」を調査したものです。
ですから、「意識・非認知能力」を習得する上で、電子書籍と紙の本にちがいがある、紙の方が良いということを明らかにしているわけではありません。
ただし、発達段階の子どもや「読解力」を鍛えるというような目的を持った読書など、紙の本の方が良い場合がある、という研究もあります。
もちろん、電子書籍が良くないと言いたいわけではありません。
電子書籍の便利さ・機能性は紙の本とは比べ物にならないものがあります。
僕自身はスマホやタブレットにアプリを入れて利用していますので、本の内容に関連したことをすぐに調べられたり、本の中の参照ページのリンク先にすぐに飛べたりして、便利さを痛感しています。
紙の本では、そういったことはできません。
とはいえ、電子書籍よりも紙の本が良い場合もあると言われている以上、無視することもできないでしょう。この調査でも指摘されていますが、特に、どうやら子どもの頃の紙の本の読書体験が大人になったときの「意識・非認知能力」に関係しているようなのです。
重要なのは、目的に応じて、使い分けることですね。
ある程度の読書経験を重ね、読解力など一定の力を身につけた大人にとっては、紙だろうと電子だろうと、あまり変わらない気もしますしね。
それより何より重要なのは「読書」することです!
では、読書の話題になると、「活字の本は読まないけど、マンガは読む」ということもよく言われますが、「漫画」を読むのはダメなのでしょうか?
マンガはダメなの?
活字だけの本を読むのが苦手な人でも、マンガなら読める(実際に読んでいる)という人もいると思います。
勉強の話題でも、「学習マンガ」が存在しているくらいですから、「マンガを読んだって良いじゃないか」と考える人もいるはずです。
僕も個人的には、「マンガだって良いじゃん!」と思います。
僕自身、高校生くらいまでは教科書以外で活字を読むなんてことはほとんどありませんでしたが、マンガ(特に週刊少年ジャンプ)は愛読していました。
その流れで、学習マンガ(特に歴史など)も良く読んでいました。
マンガは歴史的なものだけでなく、文学や医学など様々な分野が題材となっているもののあります。そうした漫画作品をきっかけにして興味が持てた分野の本を読んでみるのも良いでしょう。
僕も実際にマンガをきっかけに活字の本を読むということもあります。
これはマンガだけでなく、映画などでも同じですね。映画をきっかけに原作の本を読むということもあります。
もちろん、活字の本を読むこととマンガでは、得られる力・経験値は異なります。
文字しかない本であれば、想像力や思考力が刺激されます。が、マンガだときれいな絵があり、コマ割りや効果音など、独特の表現がされていますから、自分で「絵」を想像することはないかもしれません。
それでも、自分の目でストーリーを追い、ページをめくり、登場人物の言動に思いを馳せる行動はたいへん意味のある体験です。
ただし、最近は、動画などの作品しか見ないという人も増え、マンガでも、セリフなどの活字を読み飛ばして、絵だけ追ってしまう人もいるようです。
そうなると、話は別です。
動画などは、再生すれば、絵と音が自動的に流れてきます。
意識して見なくても、視覚と聴覚で受け取ることができます。
だから、動画などはどうしても受動的(受け身)な見方になってしまうのです。
本などは意識して、能動的(主体的)に動いていかなければ意味がわかりません。
この「意識」「能動的(主体的)」が大事なわけです。
勉強や学習、仕事においても、意識して、能動的(主体的)に行動しなければ、成長はありませんし、成果を出すことは難しいでしょう。
先ほど紹介した国立青少年教育振興機構の結果も、読書のような能動的(主体的)な行動を意識しているから、「主体的な行動力」が高いと言いかえることができるでしょう。
ですから、能動的(主体的)に読む(見る)ことを意識してあげれば、マンガであろうと動画であろうと、電子書籍であろうと、得られるものがあります。
とはいえ、しっかりと読解力を鍛えるというのであれば、やはり活字の本をじっくり読むというのは、避けて通れないでしょう。
最近は、「動画の方が分かりやすい」といって文字だけのテキストをあまり見ない人も増えています。スマートフォンSNSなどの普及で短い文のやりとりしかしていないという人も多いです。
そうした言語コミュニケーションに慣れ過ぎて、じっくり長文を読んだことがなければ、長い文章が読めないというのは当たり前のことです。
もちろん活字だけより動画や図などの情報がある方が良い場合もあります。ただし、しっかりと読解力を養いたいのであれば、動画や図などは、むしろ活字の本を読むための補助的なものとして使うことをおすすめします。
文字だけの本を読むのは、慣れていない人になってはとても大変な作業です。なかなか読み解けないということもあるでしょう。
そういったときに、図表や図式化された視覚的にわかりやすいものを頼りに文章を理解する訓練をすると良いでしょう。
いずれにしても、本を読む・文字ばかりのテキストをしっかり読み解ける力が読解力ならば、いかに自分の生活の中に読書を取り入れるか、ということを工夫することが大切です。
読解力を養うために効果的な読書のやり方
では、この章の最後に、読解力を身につける、鍛えるために、効果的な読書の方法をご紹介しておきます。
①長文を精読する(1冊を最初から最後まで丁寧に読む)
②入試問題や読解問題集など抜粋された文章を読む
③多読
まずは本を1冊、はじめからおわりまで読み通すという体験を積み重ねましょう。
もちろん、読み始めてあまり面白くなくて、全然ページが進めないというものであれば、途中で別の本に行っても良いでしょう。とはいえ、例えば、多くの人に読み継がれてきた名著と言われる本などは、ぜひともグッと堪えて最後まで読み通してみてほしいですね。
多くの人が評価してきた文章というのは、それだけの魅力があります。ですから、その本が良い悪いという感想は別にして、最後まで読み切った方が得るものが大きいです。
詳しくはこの後、お話ししますが、同じ本を読んだ人との意見交換も、読解力を鍛えるために有効な方法です。多くの人が読んでいる作品には、意見交換できる人がたくさんいるということですから、それだけ自分が読解力を養うチャンスが多いということです。
とはいえ、忙しい現代人や読書習慣がない人にとって、いわゆる文豪と言われるような人の分厚い本を読むのは、それはそれでハードルが高いことですよね。
そんな方におすすめの方法が、②の「入試問題などで抜粋された文章を読む」ことです。
入試問題ですから、大学や高校などの先生がきちんと吟味して採用しているものがほとんどです。つまり、ある程度、価値や質が保証された「良い文章」だということです。
入試問題や読解問題集の文章であれば、本を1冊読むよりもはるかに短いですから、さらっと読めるはずです。しかも、問題までついているので、余裕があれば、読解問題を解いてみるのもかなり勉強になります。
入試問題や読解問題集で使われている文章がおもしろくて、前後が知りたい・読みたいというのであれば、出典が必ず明記されていますから、その本を購入して読んでみるのも良いでしょう。
さらに、読書をする際には、精読だけでなく、多読をする方が読解力を鍛えるという意味でも効果的です。
多読とは、たくさんの本を読むという意味でもありますが、たくさんのジャンルの文章を読むということでもあります。
好きな作家や好きな分野の文章をたくさん読むのも良いのですが、同じようなタイプの文章ばかり読んでいると、出会う言葉や表現方法が偏ってしまうかもしれません。
読解力の基盤には、語彙や文法などの言葉の知識があります。
言葉の知識がたくさんあれば、それだけ様々な文章を理解することができます。
ですから、特定のジャンルや作家だけではなく、たくさんのジャンルや作家の文章に触れることが大切なのです。
その意味でも、入試問題や読解問題集などを使って、様々なジャンル、作家の文章をどんどん読んでみるのは、読書習慣のない人にも、読書習慣がある人にも、おすすめの方法です。
ぜひ、試してみてください。
読解力を養う方法①「読書」のまとめ
ここまでの読解力を養う方法「読書」に関する内容のまとめをしておきます。
- 読書をする(まとまった量の活字を読む)のは大原則
- 電子書籍よりも紙の本を読もう
- 動画、マンガなどをきっかけに読書につなげる
- 1冊の本をじっくり読む(精読)とたくさんの文章を読む(多読)
- 入試問題や読解問題集などを精読&多読
では、この後は、読書以外で読解力を鍛える方法を2点ほどご紹介していきます。
対話・議論をする【読解力を養う方法②】
読書以外で読解力を鍛える方法をご紹介します。
読解力を鍛えるための読書以外の方法、それは、誰かと「対話・議論する」ことです。
読書も広い意味では対話と言っても良いかもしれません。
筆者との対話です。
同じ本を読んだ人との意見交換も身近な対話です。
もちろん、本を読んでいるかどうかは別にして、何かの話題に対して「自分はどう思うか」「相手がどう思っているか」というキャッチボールをすることは、読解力や思考力を養うことにつながります。
相手の考えに対して、「本当にそうかな?」と疑問を投げかけてみたり、もっと良い考えはないかなと考えてみることで、相手の考えをきちんと理解すること、論理的に物事を考えることが当たり前になっていきます。
それが読解力や思考力という力の源になります。
誰かと対話する・議論するのであれば、本をじっくり読む時間がない人でも、割と手軽に実践できるはずです。
ただし、単に世間話のような会話や自分の言いたいことを言い合うだけの会話では、あまり意味がありません。
ニュースなどの話題でも良いですし、日常生活の身近な話題でも構いません。賛否が分かれるような話題であれば、やりやすいという感じでしょうか。
その時に、ぜひ誰かの意見の「理由や根拠」に注目するようにしてみてください。
例えば、誰かが「○○について賛成」の立場で、自分は「○○について反対」の立場だったら、なぜ相手が賛成なのか「理由/根拠」に注目してみるということです。
ある出来事や事実などに対して、「どんな理由」で「どんな根拠」で「自分の意見」をつくるか、同様に、相手が「どんな理由」で「どんな根拠」で「自分の意見」をつくっているのかということを意識してみることが大事です。
本などの文章というのは、小説や物語文は別として、「誰かの考え」や「理由/根拠」などが書かれているものです。ですから、それを読む、理解するには、「考え(意見)」「理由/根拠」に目が行くようになっていないと厳しいわけです。
もちろん、本を読みながら、それらを1人で実践しても良いのですが、日常的な会話でもかんたんに実践できるので、本をじっくり読んでいられない方や本を読むのが面倒な方は、ぜひ試してみてください。
作文・小論文を書く【読解力を養う方法③】
すぐ前の部分でお話しした通り、小説などの作品を除いて、本などの文章の多くは、「誰かの考え・意見」「理由/根拠」などが書かれています。それらを読み取ることが読解で、その力が読解力だと言えるでしょう。
だから、読解力を鍛えるためには、「意見」「理由/根拠」を意識してみるのが有効な方法です。「意見」「理由/根拠」を意識するには、逆に、自分が文章を書くというのも有効な方法になります。
これが、かんたんに実践できる読書以外の読解力を養う方法の二つ目です。
読むことと書くことは連動しています。
ですから、読む力を上げたいのであれば、書く力も一緒に意識して上げていくのが合理的な方法なのです。
文章を書くというのは、それはそれでハードルがあるという人もいるかもしれません。とはいえ、何千字も書きましょうというわけではありません。400字詰め原稿用紙で2~3枚、1000字前後も書けば十分です。
大学入試の小論文でさえ、1000字前後という場合が多いでしょう。
ですから、何か一つのテーマについて、自分の考えや理由・根拠などを1000字前後でまとめるというのは、ひとつの目安になります。
もちろん、はじめから1000字前後の文章をきれいに書けなくても大丈夫です。
例えば、先ほどの会話などを実践して、それを文字起こししたようなものからはじめてみても良いでしょう。
「意見」「理由/根拠」などを箇条書きのようにメモすることからはじめても良いです。
大事なのは、必要なポイントを意識して、でも、無理をせず、自分のできる範囲のことを精一杯やることです。
これら一連の書く作業を積み重ねることで、読む力は格段に鍛えられます。そればかりか、いわゆる「思考力」も養うことができます。
きちんとした文章が書けるようになると、思考の枠組みができあがるからです。
すると、新たな文章を読んだり、誰かの話を聞いたりするときに、それらを論理的に整理できるようになるのです。
前の部分でお話しした会話(対話・議論)とともに、ぜひ書くこと、特に、意見文と呼ばれるような作文や小論文を日常的に実践してみてください。
なお、「作文・小論文の書き方」について、しっかりと学びたい方に向けて、本を書きました。上の記事でふれていない内容も入った「意見文の書き方入門書」です。
作文(文章を書くこと)が中心ですが、文章を書くためには、文章を読む力も必要です。ですから、この記事でテーマである「読解力」や「思考力」を鍛える練習方法などもまとめています。
文章読解、国語の読解問題が苦手という方の参考図書にもなると思います。
ぜひ、ご活用ください。
■本に関する詳細は↓こちら↓
「14歳からの作文・小論文講座:我が子に教えたい読解力・思考力を鍛える意見文の書き方入門」
すぐに実践できる読解力・思考力を鍛えるかんたんな方法
さて、ここまでのお話しで、大まかに読解力を鍛える方法をご紹介してきました。
特に、すぐにでも取り入れられる会話(対話・議論)や作文は、読書とともにぜひ実践してほしいと思いますが、これらに関連したすぐにでも実践できる方法をいくつかご紹介したいと思います。気になるものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
■ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
【思考力・読解力を鍛える】「それって本当に正しいの?」リテラシーを高める方法
語句(語彙)・文章(フレーズ)のストック
本など何かの文章を読んだときに、知らない言葉や印象的な言葉をノートなどにメモしてストックしてみましょう。知らない言葉は意味調べも忘れずに!
また、グッときたフレーズや表現方法などをストックしていくのも良いですね。
そして、ここでストックした言葉やフレーズ、表現などを自分が文章を書く時に積極的に使ってみましょう。
■ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
【読解力】どんな学習でも最初に習得すべきは言葉(漢字)と文法!
【勉強方法】基礎・基本の重要性「主語-述語(動詞)・字を丁寧に書く」
視写・写経(そのまま書き写す)
なかなか自分で作文・小論文などの文章を書くのはハードルが高いという人は、まずはお手本となる文章を書き写す(視写や写経)をやってみてください。
好きな本の一部分でも良いですし、教科書、入試問題や読解問題集などの問題文でもOKです。
ここでも「意見」と「理由/根拠」などを意識しながら、ひたすら写してください。最終的に暗記してしまうくらい何度も書き写してみましょう。
新聞の投書欄(誰かの意見文)を使った実践
もう一つ手軽にできる有効な方法があります。
新聞などの投書を使った作文です。
投書というのは、新聞などの読者が投稿した意見です。
つまり、誰かの意見が書かれた意見文なのです。
この意見文を使って、自分の意見文(作文・小論文)を書いてみるという実践です。
やり方は以下の通りです。
【投書を活用した意見文の作文の書き方】
①投書の「意見=主張」が何かチェック
②投書の「理由/根拠」をチェック
(※投書文の要約をする)
③投書の意見に対する反論をする!
(※「○○と言っているが本当にそうなのか?」と疑問を投げかけてみる)
④③の反論を「理由/根拠」などとともに文章でまとめる
はじめから④の作文ができなくてもOK!
まずは、投書の意見文の「主張」「理由/根拠」などをしっかり読み取って要約する練習をしましょう。その上で、投書の意見に対して「NO」を行ってみる練習をしてみます。
文章で書くのが難しければ、まずは箇条書きでメモをすることから始めてみてください。
以上をくり返し訓練することで、読解力と作文力を同時に鍛えることができます。
では、最後に読解力を養うためにおすすめの書籍をご紹介します。
読解力・思考力を養うためのおすすめ本
★入試問題や読解問題集関連
★作文・小論文の書き方関連
■14歳からの作文・小論文講座:我が子に教えたい読解力・思考力を鍛える意見文の書き方入門
これらの中には電子書籍版があるものもあります。僕が書いた「作文・小論文の書き方」に関する本は、まさに電子書籍です。が、紙の本が手に入るものについては、ぜひ紙の本でも読んでみてください。
ちゃんと調べたことはないので、勝手な仮説ですが、自分でページをめくる作業もきっと能動的(主体的)な行動として少なからず意味があると思います。
少なくとも紙の本も電子書籍も両方読む僕自身は、紙本のページをめくったり、ペラペラとページを行ったり来たりさせながら、じっくり読書するのが好きです。デジタル端末でスワイプしたり、タップするのとはやっぱり何かがちがいます。
あとは、買ってはみたものの読まずに積まれている、いわゆる「積読」も実は意味があるものだったりします。
電子書籍では、端末に電源を入れてファイルを検索しなければ何が入っているのかわかりません。しかし、物理的に紙の本を積んでいる状態であれば、いやでも本のタイトルや表紙などが目に入ってきます。読むべきときが来たら、自然と手が伸びます。これも紙の本だから起こることです。
「モッタイナイ」などと切り捨てず、やってみる価値はあると思います。
古本ならあまりお金をかけずに購入することもできますし、本を置くスペースに余裕がなければ、図書館などを積極的に活用して読書すれば、ほとんどお金もかからず、本を保管する場所の問題もなくなります。
例えば、火木土は図書館に寄ってから帰るなど、日常のルーティンにしてみるのも良いですね。
くり返しになりますが、本記事の主旨は、電子書籍を否定することではありません。
むしろ、積極的に利用するべきだとすら思っています。便利ですから。
ちなみに、僕が書いた電子書籍(「14歳からの作文・小論文講座」)は、動画のリンクを添付しているので、文章と合わせて動画をご覧頂くことも可能です。これは紙の本ではなかなかできないことですね(QRコードなどを紙面に印刷すれば似たようなことはできますが・・・)。
白黒の文字の情報だけでなく、フルカラーの写真や音声、動画などの表現も合わせられることで、得られる情報の量も質も変わります。
一方で、紙の本にも良い部分はあるわけです。
ですから、ご自身の状況や目的に応じて両者が使い分けられると良いですね。
とにかく、あなたの読書ライフを充実させていくことが何より重要です。
最後に
「読解力低下」「読解力を鍛える/養う」などと聞くと、何となく不安になり、どうにかして身につけないとヤバイのか、と思ってしまうかもしれません。かといって、読書をするのが良いと言われてもなかなか敷居が高くて実践できなさそうだ、という人もきっといらっしゃると思います。
そんな方は、ぜひこの記事で紹介した方法で、「これならできそう」と感じた自分にできることから実際にはじめてみてください。
本、文章が身近なものになれば、読解力うんぬんも読書もだいぶ見え方が違ってくると思います。気づいたら活字中毒のように読書三昧の日々になっているかもしれませんよ。僕がそうでしたらから。
いざ本を読んでみようとなっても、何を読んで良いか分からない方は、ぜひ、まずは図書館や本屋さんに行って気になるものを手に取ってみることからはじめましょう。タイトルや装丁(表紙など)でピンと来たもので良いと思います。
とにかく手に取って、ぱらぱらとページをめくって、「はじめに」を読んでみたり、筆者のプロフィール読んでみたり、気になるところを読んでみましょう。実際の本を手に取ってみるという感覚は本を身近な存在にするためには、意味のある大切なことだと思います。
では、あなたにとって、「読書」あるいは「会話(対話・議論)」や「作文」が、あなたの世界をもっと広げる素敵なものになることを願っています。
■ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。