「勉強のやり方がわからない」という人が多くいます。
でも、本当にそうでしょうか。
そういう人の中には塾に行っている人もいます。
塾や家庭教師などを利用していない人でも、学校で授業を受けています。教科書や問題集も持っていて、「先生」と呼ばれる人に教えてもらう機会があります。
それなのに、勉強の方法がわからない、だから成績がなかなか上がらないという人は、おそらく肝心なことが分かっていないし、できていないのだと思います。
では、中学生がテストの点を上げ、成績を上げるために、まず実践しなければいけないことは何なのでしょうか。
正しい勉強法って何だろう?
「中学生の正しい勉強法は何だと思いますか?」
と中学生に問いかけたら何と答えるでしょうか?
もしくはお子様からそう問われたら、保護者様は何と答えますか?
「教科者を見る」
「復習をする」
「プリントを見る」
…等々の答えが多くの中学生から出てくるのではないでしょうか?
何を、どのくらい、どう勉強するか、答えられますか?
保護者様は、日頃、たとえば「テスト前だから勉強しなさい」と言葉を投げかけることがおそらく多いと思われます。勉強法についてアドバイスするというよりも、むしろ、「やりなさい」という声かけがメインとなっているのではないでしょうか。
ここでぜひ1つ注意してほしいことがあります。
よくある中学生の答えにも、保護者様がよくやっている声かけにも実はある共通点があります。
保護者様の「勉強しなさい」という声かけにも、中学生の「教科書を見る」「復習をする」「プリントを見る」などの言葉にも共通してみられる特徴は、具体性に欠けているということです。
「教科書を見る」といっても、いったい何を見るのか?
そもそもどこの単元か把握しているのか?
「復習をする」といっても、何を復習するのか?
どこを特化してどのようにやるのか?
「プリントを見る」といっても何を見るのか?
プリントのどこをどのように進めるのか?
言われてみれば当たり前な、かんたんな話ですが、そこまで考えられて発言できているでしょうか。
多くの中学生が、このようなことをしっかりと考えたうえで、「何を、どう勉強するか」を答えられているかというと、今までの経験上ここまでは考えていない人が圧倒的多数です。
となると、一生懸命勉強時間を費やしたとして、頭の中に残るのは一体どのくらいの内容になってしまうのでしょうか。考えると恐ろしくなりますね。
10時間勉強したとしても、実際には2時間分の内容しか頭の中に残っていなかったとしたら、どうですか?10時間もやったから大丈夫、とテストを受けても、2時間分の学習内容しか頭に残っていないのですから、その分しか点が取れなくても、これは当たり前のことです。そうなると、やる気もどんどん失われていきますよね。
先生に言われたことを言われた通りにできているか?
私は、一度家族で、親子で、「正しい勉強法とは何か」を考え話し合ってもらいたいと思っています。具体的かつ明確な答えがどのくらいの家庭で出てくるのでしょうか?
もちろん、色々な考え方があると思います。
塾講師だったらそれぞれの講師が考える正しい勉強法があります。共通する部分もありますし、細かく見れば違う方法を使っている人もいます。大きな塾であれば、指導方法や内容、カリキュラムを統一している場合もあります。
いずれにしろ、講師は「教える」のが仕事、生徒さんに「正しい勉強」をしてもらうため、日夜授業内容や指導方法を他の先生と話し合ったり、他の先生の授業を観たりして、研究しています。
もし、塾に通っているのであれば、そうした先生に指導してもらったことを、まずはそのままやってみることが大事です。
あなたは、きちんと言われたとおりに勉強を行っていますか?
まずは、そこを問いかけてほしいのです。
言われたことを言われたとおりにやる。
それが正しい勉強法です。
先生は色々な生徒たちを見てきています。だからこそ色々なノウハウを持っています。中学生本人よりも、その保護者様よりも、さまざまな勉強方法を見て、聞いて、知っています。
先生は、日々の授業の中で、その生徒にあった勉強法を伝えていきます。授業を受けたのであれば、先生から自分に必要なこと、足りないこと、それらを教えてもらったのであれば、次は生徒本人が自分で実践する番です。正しい勉強方法も、その指導も、生徒本人が行動しなければ何の意味もありません。正しい勉強方法を活かすも殺すも、生徒本人の実践次第なのです。
しかし、素直に実践する生徒は、大方がトップ高を狙う生徒です。中下位層の高校を狙う生徒ほど、言われたこともできないのです。残念ながら、それが今まで私が見てきた現実です。だからこそ、なかなか成績が上がらないのです。中位、下位の成績の生徒ほど、勉強方法を改善して、正しい方法を正しく実践する必要があるのに、だからこそ塾に通っているのに、「言われたとおりに」「素直に」「そのまま」実践しないのです。
正しい実践をやり続けることができているか?
「いや、私は言われたことをやっている」と言う人もいるでしょう。
たしかに、成績上位の人ではなくても、素直に、言われた通りに実践できる人もいます。あるいは、言われたことをやっているのにもかかわらず、それが成績やテストの点数に反映されない生徒もいます。
では、そういう人がなかなか成績を上げられない理由は何でしょうか。
言われたことはやっている。
しかし、それで終わってしまうからなのです。
つまり、継続が出来ないのです。
正しい勉強法は、いや、そもそも勉強は終わりが無いのです。小学生の勉強の延長が中学生で、中学生の発展が高校生で、そして専門知識をつけるための大学での勉強へとずっと続くのです。それならば、継続して行わない限り勉強として成り立たないし、成績も上がることはないでしょう。
これから新たに本気で勉強をするのであれば、まずは言われたことを素直にやる、そして、それを継続してやる事が肝心です。
正しい勉強法=正しい行動習慣。言い訳せずに行動せよ!
これは勉強において大事なことというわけではありません。
何においてもそうです。
生活の中でも社会の中でも、継続して行うことがとても大切なことです。
もちろん、行動を継続することは大変むずかしい。
大人でも行動を継続することが出来ないこともあります。でも、それを中学生にやらせなければいけません。やらざるを得ないのです。
むしろ、中学生だからこそ、そうした正しい考え方で正しい行動をする習慣を身につけていかなければいけません。大人になると、体にしみついた習慣を変えるのが子ども以上に大変な作業になります。
しかも、中学生は、塾講師が道しるべとなって正しい道を作ってくれているのです。そこを歩き続ければいいだけなのです。
しかし、それすらも出来ない人は、言い訳を探します。
出来ない理由をもっともらしく語ります。
それをしてしまえば、おそらく成績は上がりません。
成績がなかなか上がらない人は、ぜひ自分の行動をふり返ってみてください。
出来ない理由・言い訳を考えて、行動していないことを正当化していませんか?
出来ない理由なんて考えようと思えばいくらでも見つかります。だって、そもそも今の自分には「できないこと」を「できること」にしようとしているのです。だから、出来ない理由を考えたって何の意味もないのです。
もちろん、「できないこと」を「できること」にしようとするのは、大変なことです。でも、それが勉強です。それが成長するということです。勉強して自分を成長させよう、成績を上げたいと考えるのなら、出来ない理由ではなく、どうすれば出来るようになるかを考えましょう。
最後にもう一度言います。
正しい勉強法は「言われたことを継続してやること」です。
(文責:オハナエデュケーション 前田秀仁)